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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第2章 自由を求めて


──

ミスティは今日の1日の予定をこなし、今は自室の窓から空を見上げる。
無限に広がる空に瞬く星々…

(綺麗…)

今見えている星の輝きは、今よりもずっと前に死んだ星の光だと何かの本で読んだ。そんな不思議なことがあるんだと思った。

ミスティは見上げる視線を下にずらし遠くを見つめた。
夜の帳の中では見えないが、視線のずっと先には広い広い海が広がっている。
大海原を進むってどんな感じなのかな?風が気持ちいい?こわいのかな?船から見る水面ってどんな感じなのかな?

外の世界には私の知らないことがまだまだ沢山ある。
勉強やお稽古をしても知ることが出来ない発見が沢山ある。

『広い世界を見てみたいな…』

今までのミスティなら考えられない発言。
人生諦めてしまった少女が外の世界に興味を持った理由はというと…


「よぉ!ミスティ!」

静かな夜の世界に自分を呼ぶ元気な声。
声の持ち主は、慣れた様子で木をつたいミスティの部屋のバルコニーに降り立った。

「悪い、遅くなった!」

『サボ!!』

声の主は、いつかのパーティー会場で出会った少年・サボだった。

あの日、あれからサボが本来の目的の対象者だったと分かり、友達ではなく婚約者に関係性が変わった2人は、こうやって時間を気にすることなく会うことが出来ていた。
執事の爺やバーバラの立場からすると、猿のような侵入ではなく正面玄関から普通に訪ねて欲しいと思ってはいるが、ミスティの喜ぶ顔が見れるなら…と口には出さないようにしている。


『サボ、今日はどんなお話聞かせてくれるの?』

「そうだな、今日は…」


サボはミスティを訪れ、こうやってその日あったことを面白可笑しく話すのだった。
サボという存在が、少女の「無」だったモノクロの世界にさした色であり、心を外の世界へ向ける光となっていったのだった。
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