【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第10章 砂の王国での出会い
今も同じようにソファで眠るミスティ。
仕方なく昨夜と同じようにベッドに運んでやった。
服を着替え任務に行く前に、ベッドで眠るミスティの傍に行き頭を撫でた。顔にかかった髪をよけてやり流してやると首元の赤い跡が目に入った。
レインは満足そうにその跡を見つめ、ミスティにチュッとリップ音をさせ触れるだけのキスをし部屋を出た。
──
目を覚ましたミスティはデジャブだと思った。また、このベッドに居る。ただ、今回は1人のようだ。
ベッドのサイドボードにメモがあった。
"今度は容赦しない"
ミスティは青ざめた。
(私殺される)
昨夜のことを覚えていないミスティにはこのメッセージは殺人の予告にしか見えなかった。
とりあえず、自身の任務は済んだのでアラバスタに居る必要はない。これ以上ここに居てレインの機嫌を損ねでもしたら大変だ。帰る準備をし早々に部屋を出た。
ホテルの受付で確認するとあと1週間は部屋が取ってあるようだ。まだレインは任務があるのだろう。アクシデントとは言え泊めさせて貰ったのでお礼をしたかったが難しそうだ。
うーんと頭を抱えていると受付の主人がミスティに声をかけた。
「お客さん、あの兄ちゃんのコレだろ?」
そう言い小指を見せて言った。
『え、…あぁ、まぁそうですね。』
ぎこちなく答えたミスティを見て主人は嬉しそうに言った。
「あの兄ちゃん、アラバスタの地質か何かを調べるみたいで長期滞在だからお客さん寂しかったんだろ?だから会いに来たとか泣かせるね~」
『あの…えっと。』
まさかの恋人扱いでどう答えていいか迷った反応が初心な女だと誤解させてしまたようだ。
「照れなさんな照れなさんな。でも兄ちゃんも相当嬉しかったようだな。ここに来た時と今日なんて全然違ったもんな~」
『そうなんですね。あんまり表情に出ないタイプみたいなので。』
「今日も出掛ける時、部屋でゆっくり寝かせたいからって掃除とかは起きてからにしてくれって頼んで出てったからな。いやー愛されてるね。」
ミスティはこの時、何時ぞやのカリファの言葉を思い出した。お礼にはならないが主人に伝言を頼むことにした。
戻ってきたらあの人に伝えて欲しいと言いアラバスタを後にした。