【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第10章 砂の王国での出会い
──カランカラン
「いらっしゃい、1人?」
『はい。』
「今混んでるからカウンターでも良い?」
『大丈夫です』
カフェに入ったミスティはカウンターに通された。アイスティーを注文し待っている間、周囲を警戒しながら耳をすました。
会話を聞く限りどうやら睨んだ通り、ここは例の海賊の縄張で間違いない。ここに居る客も大半が関係者だろう。
「お待たせ、アイスティーだよ!」
『有難うございます。生き返ります!』
「にしても、姉ちゃん珍しいね。こんな所に。エルマルから来たんだろ?」
(この店主は雇われ店主のようね…カモフラージュのつもりかしら。)
『えぇ、旅の途中で砂漠に興味があって観光気分で寄ってみたんですが甘かったですね』
この地へ来たのは偶だということを強調しながらミスティは答えた。
「ははっ!そうだろうな。昔はエルマルを始めここ辺りも活気があったんだが雨が振らなくなってからはね…レインベースならカジノとかもあるがね。」
このカフェ、スパイダーズカフェともう1つのミスティの目的であるカジノの名が店主から出た。
『そうなんですか…この国を出る前に寄ってみようかな?』
「姉ちゃん、運は強い方かい?」
『どうかな?でもカジノがあるなら賑やかそうだし。』
カジノが目的地であることを悟られないよう努めて明るく答える。
「そのカジノ、レインディナーズって言うがあの王下七武海のクロコダイルが経営するカジノだからな。…まぁ行くなら気をつけな。」
『有難う。折角だから行ってみるわ。"レインディナーズ"』
残りのアイスティーを一気に飲み干し代金と少しのチップを置きミスティは店を出た。
(あれだけ名前を出してたから誰か声を掛けてきても良さそうなんだけど…)
?「お姉さん、レインディナーズ行くんすか?」
(来た!)
『そのつもりだけどここに来たのも行き当たりばったりだったから足が無くて…』
振り返ると男2人組がニヤニヤしながら大きいカルガモのような生き物と一緒に立っていた。
?「俺らそこに用があるんで乗っていきます?」
『…でも悪いわ。お仕事なんでしょう?』
?「いや、いいっすよ。逆にお姉さん連れてカルガモドライブ出来るなら大歓迎っす!」
はなから断るつもりはなかったので下心丸出しの提案ではあったがお願いする事にした。