【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第8章 CP9最強の男
※ルッチ視点
ガレーラが休みになったことで急遽エニエス・ロビーに帰ってきた俺達だが、別に全員帰る必要はなかったし、そのままウォーターセブンでいつも通りの休日を過ごせば良かった。
俺以外は…
──2週間前
「ねぇ、ルッチ。今度の休みにエニエス・ロビーに帰らなくて良いの?」
「帰る必要があるのか?」
ブルーノの酒場で皆で飲んでいた時にカリファが聞いてきた。
「え?確認しなくて良いの?新入りの子が入ってきたんでしょ?私達みたいに小さな頃から鍛錬してきた訳でもない、しかも女だって言うじゃない?」
「おぉ~そう言えばそうだったのぉ。何だ、カリファ~ヤキモチか?もう1年ぐらい経つんじゃないか?」
カリファに加えカクも話に入ってきた。
「別にそんなんじゃないわよ!ただ、その子は…」
──
結局、俺はあの日のやりとりの結果、帰ることになったのだがついでだと言いながら他の3人も俺と一緒に帰り今に至る。
「それで?どうなの…ルッチ、ミスティは。」
「ルッチが毎日いじめとるのじゃろ?ボロボロのミスティを見たぞ!」
「チャパパ、ミスティは頑張っているぞ!この1年で指銃の威力や鉄塊の強度もだいぶ上がった!」
「そうだな、鍛錬もしながら長官のお守りもミスティがやってくれてたしな!お陰で長官の仕事は溜まらず机も綺麗ときたもんだ!」
ルッチはドカッとソファに腰を下ろし皆の話をききながらコーヒーに口をつけ答えた。
「まだまだだ。ただ、スピードは悪くない。」
「ほぉ、ルッチが褒めるとは珍しいこともあるもんじゃの~」
「ホント!でもあんまり虐めないでね。明日は私のショッピングにミスティも連れていくから。」
コーヒーを飲み終えた俺はミスティの鍛錬の為に立ち上がり部屋を出た。
俺が部屋を出た後に、皆が、甲斐性のあるルッチは気持ち悪いと言っていたことは良い大人として流すことにした。
(確かに俺が誰かを指導したりすることは今まで無いが…アイツは違う。)
俺は1年前を思い出しながら鍛錬場へ向かった。
──俺がアイツに違和感を覚えたあの日のことを。