【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第1章 モノクロの世界にさした色
──ザワザワ
「これはこれはロゼ様、お久しぶりです。食事会以来ですな。」
「ご無沙汰しており失礼致しました。奥様もお元気そうで。」
「(小声)ほら、ミスティ。ご挨拶なさい」
『…御機嫌よう。初めまして、ロゼ・ミスティと申します。』
「あら、やはり噂通りのとても可愛らしいお嬢様ですこと。ね、あなた?」
「全くだ。恥ずかしながらウチの息子とは大違いだ。…すまないね。ウチの息子は会場に入った途端に行方が分からず。どこをほっつき歩いとるんだか!!」
「まぁまぁ、元気が良いのは良いことですよ。」
「それより積もる話もあるようだからあちらで話しましょう。」
──
『ふぅー』
(疲れたな…)
ミスティは久しぶりのパーティーで人に酔ってしまい、両親と離れ中庭に来ていた。
(結局どんな人か分からなかったな…)
顔合わせだと聞かされ、朝から入念な準備をし迎えたパーティーであったが、未だに婚約者には会えていなかった。
(いきなり居なくなっちゃうなんておかしな人なのかも…)
『嫌だなぁ…』
独りごちた言葉は、月の光で輝く静かな中庭に思いのほか響いた。
?「何が嫌なんだ?」
『っ!!』
(誰…!?)
──ガサガサ
?「あ、わりぃな。驚かせた!」
中庭の植木の茂みから少年が顔を覗かせた。
?「ここ、デカい建物だから色々探検してたら、声が聞こえたからさ!…って、お前、大丈夫か??」
『…え?』
?「顔色が悪いぞ。気分でも悪いのか?」
(私、そんな酷い顔してるのかな。…緊張してたし疲れたのもあるのかも)
『…少し疲れちゃって。人も多いし。』
?「そうか!確かに多いな。俺もこいういの得意じゃないから1人で抜け出して探検してたら夢中になってこんな時間になってたな(ニカッ)」
『そうなんだ。』
?「お前、まだここに居るのか?気分が落ち着くまで探検の話してやるよ!おっきい甲冑とかでっかい大砲とかあったんだだぜ!」
──