【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第8章 CP9最強の男
『…痛た』
「大丈夫ですか?ミスティ様…」
傷の手当をしながらカレンが心配そうに聞いてきた。
『…生きていることが信じられない』
フクロウのとんでも発言から始まったルッチによるミスティへの指導は、予想通り容赦の無いものだった。新入りだとか女だとか関係なく、弱点や隙があれば容赦なくそこをついてくる。
そのお陰かミスティも自分の弱点については自ずと気付くことになった。また、この1年の身体作りのお陰もあり、やられてもやられても最後まで食らいついていた。
まぁ、ルッチ程の男が本気を出すわけはないのだが、それでも良くやっている方だと思う。
「でも、いくら必要な事だとしてもミスティ様のお顔に傷が残ったらどう責任をお取りになるおつもりでしょうね!」
少し怒りを滲ませたカレンの言葉にミスティは乾いた笑いで対応した。
『…私は別に普通の女ではないし任務で怪我することもあるし。傷の1つや2つ、どうってことないわよ。』
諦めたようなことを言うミスティにカレンは目を釣りあげて言った。
「ミスティ様!身体を張られるお仕事なのは承知しておりますが、ミスティ様は女性なのですから!お顔などのお傷はやはり心が痛みます。ミスティ様が無事にお務めを果たされることを私はいつも願っております。私の心中をお考え頂き、くれぐれもお身体ご自愛下さい。」
カレンは真剣な顔でそうミスティに伝えた。
『…分かったわ。カレン。』
「はい!でも、もし万が一にも怪我をされたり体調を崩された場合には直ぐ私を頼って下さい!」
『…有難う。』
お礼を言うミスティにカレンは笑顔になった。
「…それにしてもロブ・ルッチ殿はやはりCP9最強の男なのですね!ジャブラ殿との鍛錬ではここまでお怪我をされることは無いのに…」
今までは鍛錬をしてもそこまでの傷などは負った事がないミスティを知っているカレンはそう言いながら更に続けた。
「でもそのような冷酷な男性であるにも関わらず給仕達の噂ですが圧倒的におモテになられるようですよ!!」
(…えっ?)
「まぁ、顔面偏差値も高く背も高い、その上強くてクールで最強の男…非の打ち所がないですから分かりますが。」
(へぇ、そうなんだ。世間はああいうのが良いんだ。)