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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第6章 CP9


※レイン視点

直にエニエス・ロビーだと言うのにコリンの姿がない。またいつものように航海士とのお喋りに花を咲かせているに違いない。

そろそろ下船の準備をしなければならない為、コリンを探しに船内を見回ったが居ない。

(アイツ、どこ行った…)

イライラしていると甲板から楽しそうな声が聞こえた。

(間違いない、コリンだ。)

甲板への扉を開けると楽しそうに話す男女が居た。

「…女?誰だ…アイツ」

知らない女がコリンの横に居た。俺は2人に近づき声を掛けた。

「コリン。直に着く。準備しろ。」

コリンが振り返ると同時に女もこちらを見た。一瞬目が合ったが直ぐに視線をコリンに向けた。

「あ、レン兄ぃ!もうそんな時間?ごめんごめん」

呑気な声のコリンに呆れた。

「レン兄ぃ、こちらCP9のロゼ・ミスティさん。」

「ミスティ、こちらがスティルハート・レイン先輩です!…」

最後の辺り、コリンがコソコソ女に話していたが聞こえなかった。

『挨拶が遅れ申し訳ございません。CP9所属ロゼ・ミスティと申します。宜しくお願い致します。』

凛とした良く通る声だった。

「…CP8所属スティルハートだ。」

(この女がCP9だと?)

CP9と言えば少数精鋭。正直目の前の女は役不足だ。薄い金髪ロングにパッチリした目は人目を引く容姿をしていると思う。細身な身体でありながら出るとこは出ており女性らしさは感じるが、俺から見ればまだ餓鬼だ。同期のカリファとは程遠い。役人と言えども諜報機関であるCPであれば女を使った任務もある。

「…お前、能力者か?」

『いぇ、違います。』

(…疑問しかねぇな。この人事、裏があるとしか思えねぇ。)

俺が何も言わずにいると女が言った。

『…力不足であることは重々承知の上です。女であることで卑下されるのであれば、その女であることを最大限利用し見返す覚悟です』

(…ほぉ。中々肝の据わった女だ)

「力が無ければ死ぬ。男と女では差が歴然。諦めて女のスキルを磨け。行くぞ、コリン。」

自分でも何故この女にこんな事を言ったのかは分からない。コリンがオロオロしながら俺の後を追ってくる。

女を残し、甲板を出ようとした俺の耳に女の声で確かに聞こえた。



──勿論そのつもりだ。生きて帰るつもりはない、と。
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