【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第4章 美しき諜報部員と参謀総長
今日は朝から兵士の皆がバタバタしている。
(何かあったっけ?)
単独任務が多く、一般の兵士と関わりの少ないセレナは首を傾げた。
『ねぇ、何かあったの?騒がしいけど。』
セレナは今居る部屋の主であり数少ない話し相手のギルテオに声を掛けた。
「あー、参謀総長のお帰りだからな。」
(あぁ…)
『…成程ね』
「…セレナ、お前大丈夫か?アイツと会うの久しぶりだろ?」
ギルテオはセレナの過去を知る数少ない革命軍のメンバー。
気を遣ってくれたのだろう。セレナは口元に笑みを浮かべて答えた。
『平気よ!もう何年経ってると思ってるの?笑』
「そうか…」
(全然大丈夫そうじゃねぇーけどな。今のも俺じゃなくて自分に言ってるんだろ?作り笑いなのバレバレだ。よくこんなんで諜報部員なんてやってられるな。…これも全部アイツの為か。)
『ねぇねぇ、私の次の任務まだなのかな?もう十分休んだし全然行けるのになぁ』
「総長様が土産持って帰ってきてからだろ。大人しく待っとけよ笑」
『はぁーい』
(此奴、総長殿が帰ってくると任務に出たがる癖治らねぇな。まぁ、意図してそうしてんだろうから仕方ねぇけど…)
ギルテオは隣で頭をたれ、管制装置をガチャガチャ掻き回す彼女を見ながらため息をついた。
7年前の2人の事は一部の者しか知らされていない。お互いのことを考え、腫れ物に触るような扱いはしていないが、珍しくあのイワさんが気にしてたもんなぁ…
──あの娘のこと、宜しく頼むわね。ヴァターシや軍隊長と違ってヴァナータは基本バルティゴにずっといっチャブルんだから!!ヴァナータみたいな男でも居ないよりはマシよっ!!
デカい顔をこれでもかと近づけ俺に言っていたイワさんを思い出す。あの人、口は悪いけど何気に面倒見良いからな。此奴にも直接訓練つけてたし。
此奴も此奴でよくあれについていってたな。ちっさい身体で…
昔を思い出していると表が騒がしくなり始めた。
そろそろか。
さぁ、俺も行くとしようかね。
──我らが参謀総長のお帰りだ。