【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第17章 友達と同僚と給仕
※カレン視点
半年前、任務に向かうミスティ様を見送って1ヶ月程した頃、ミスティ様が怪我したと連絡が入った。状態が良くない為、1番近いCP8の本部に運ばれたと知らされた。私は居ても立ってもいられず此処に駆け付けた。
それから半年…幸い命は取り留めたミスティ様だが、目を覚ますことなく今に至る。
「…痛かったですよね?」
幼い子供を助けようとして負った傷だと聞かされたが、彼女の身体に残るであろう腹部の傷を思い、私はベッドで眠るミスティ様に声を掛けた。
彼女に仕えてから、普通の役人とは違う彼女に尊敬の念と親しみを感じていた。若くしてCP9に配属され、危険な任務も淡々とこなす優秀なCPの1人。私の作る食事を美味しいと言いながら私との他愛もない会話を楽しむ年頃の普通の女性。両方共、彼女の魅力である事に違いは無いが、気になる男性が居るのかと聞いたあの日、私の前で涙を流した彼女こそ本当の彼女だと思う。
「だから、私はミスティ様の拠り所になるって誓ったんです…」
人には言えない事や悩み事なんて誰にでもあるわよね。ミスティ様だってそう。私は白く細い彼女の手を握った。
「ミスティ様、カレンは傍におります。だから、また一緒にお茶をしましょう。目が覚めるまで私はずっとお待ちしています。」
私は静かに眠るミスティ様に誓った。
──バァン
「え!?」
急に扉が開いた。病人の部屋なのに乱暴に開けるとは何事かと思い、入口の方に私が視線をやると、いつもの2人が入ってきた。
「カレンさん、ミスティの様子はどうですか?」
「コリン!声でかい!」
このお2人はミスティ様のご友人兼同僚で私が此処に来てから空いた時間を見てよく訪ねてこられる。
「今日も眠っておられます…なのでお静かに。」
私はお2人に向けそう言った。
「そっか…」
「……。」
残念そうな顔をするお2人を見て前向きに答えた。
「でも顔色も良いし呼吸も少し良くなられていると思います。直に目を覚まされますよ!」
「だね。僕も色々話を…」
その時、私が握るミスティ様の手がピクっと動いたような気がした。
「え?…動いた。」
「え!?本当!?ミスティ!?起きて!」
私達が声を掛け続けると長い睫毛が揺れ瞼がゆっくり開いた──