【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第17章 友達と同僚と給仕
※コリン視点
「はぁー…」
「やめろ、コリン。こっちまで萎える。」
深いため息を吐いた僕にセツナが言う。
「だってさ、レン兄ぃが1人で任務行っちゃってさ。僕達留守番じゃん。」
「仕方ないだろ?レインさんの事は僕達にはどうしようも出来ないってコリンが言ったんだろー」
「そうだけどー…」
僕は目の前の書類の山を見ながらまた溜め息が出た。
「…ミスティ、目ぇ覚まさないのかな?」
セツナは動かしていた手を止め僕を見た。
「もう、ずっとあのままなのかな…」
「どうだろう…人の生命力は本人の生きたいっていう気持ちが影響するって聞いた事がある。」
「じゃあミスティは死にたがってるって言うの!?」
僕はセツナの言葉に噛み付いた。
「そうじゃない。でもコリンはともかく僕はロゼさんの事、何も知らないんだ。アリス様の前では笑ってたけど僕にはそれが本当の笑顔には思えない…レインさんも気付いてると思う。」
「…セツナ」
「人は皆、全てを曝け出して生きてる訳じゃない。ロゼさんがどんな人生を歩んできたのか、どんな人と会ってどんな辛い事があったのか…分かんないから。」
セツナの意見は最もだけど、それが大切な友人の事だと思うと僕は悲しかった。
「あの時、レインさんと僕は別の場所から駆けつける事になった。だから見てないけどロゼさんは襲って来た敵からアリス様達を守った。CP8の女性メンバーだったら死んでたよ。全員。」
状況を聞いた僕もそれは思った。護衛対象を死なすなんて事になってたら今頃レン兄ぃを始め僕達はどうなっていたか分からない。
「見た目で判断するのはロゼさん嫌うと思うけど…あんな綺麗で華奢な女性があそこまで戦えるなんて。レインさんも言ってた。傷を見るに正確に一撃で倒してたって。生半可な気持ちじゃないし相当鍛錬を重ねないと無理だよ。辛かったと思う。」
「…ミスティ。」
「あと、レインさん。最初はロゼさんの事、信用してなかったけどロゼさんの任務に対する姿勢とか評価してた。アリス様に勉強やピアノを教える彼女を見る目、優しかった…」
「…だから余計ショックなんだね、レン兄ぃは。」
「だな…」
「よし!ミスティのとこ行ってくる!」
そうセツナに伝え僕は部屋を飛び出した──