【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第16章 眠り姫
──夜明け前
男は休めていた身体を起こしバルコニーに通じる等身よりも大きい窓に向かった。
そこから見える海を静かに眺める男。温暖な気候の島であっても明け方は冷える。だが、何かを羽織ることもせず上半身を晒しじっと薄暗い海を見つめている。
「……。」
次第に明るくなる海。日の出が近いのだろう。水平線にオレンジの光が差してくるのが海にはよく映える。だが、男はそれを見ても何も反応しない。
暫くして、ふぅ…と息を吐きバスタオルを掴みバスルームに消えて行った。
男が何を思うのか、何を思って海を眺めるのかは分からないが、寝付きが悪く何時もより早く目覚めるようになってしまった男のルーティンなのだ。
本来ストイックな男…そんな男にこの無駄とも思えるこの行動。いつからか?
そう、確かあれは"彼女"が眠りについたあの日から──