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シロイ、ヒカリ / Hunter×HUNTER カイト夢/

第1章 甘い、キス




「俺は十分じゃないんだが…。
ケイ、それじゃキスできない」

くい、と顎を持ち上げられる。
カイトの顔が近づいてきて、慌ててその前に手を広げた。

「ま、まって!」

「…なんだ」

ものすごく不満そうな声でカイトが尋ねる。

「この報告書、今夜までなの。
今ここで…その、こんなことしてると、間に合わない」

訴える私に、カイトはしぶしぶ手を離した。
落ちた帽子を拾い上げる。

「ここで待ってる」

言って、どさっとソファに腰かける。

少しだけ残念だったけど、とりあえず離れてくれたことに安堵して、再びパソコンの前に戻った。










「……これでオッケー、と」

送信ボタンを押して、電源を切る。
立ち上がって、んーっと伸びをした。
つかれたぁ…

「終わったか?」

ソファで読書をしていたカイトが目を上げて声をかけてきた。

「うん!時間かかってごめん」

「構わん」

そう言って立ち上がると、側まで来てわしゃわしゃと頭を撫でてくれる。

「お疲れ」

その声が優しい。

「…ん。待っててくれてありがと、カイト」

ぐぅーっ。
にこっと笑いかけた私のお腹が盛大に鳴った。
瞬時に真っ赤になる。
あ…そういえば今日お昼食べ忘れてたんだ….

音を聞いて目を丸くしたカイトが突然横を向いた。
手で口元を押さえながら、低い声で笑いだす。
そんなに思いきり笑うカイトの姿が珍しくて、思わずポカンとしてしまった。

「…お、おまえ、昔っから腹の鳴る音だけはデカイな。
…っく、はははっ」

「わ、悪かったわね!
仕方ないでしょ、体質なんだから!」

もはや本格的に笑い出したカイトの背中を、恥ずかしさもあってバンバン叩く。
ようやく笑いを止めたカイトが、涙をふきながら言った。

「メシに行こう」

私の手をとると、そのまま真っ直ぐドアに向かう。

「…うんっ!」

笑われたことよりも、手を繋いでくれたことが嬉しくて、私は元気よくこたえた。

外に出ても、カイトの手はずっと私の手を離さなかった。


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