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【ツイステ】夢の中で逢いましょう【リドル】

第1章 夢の中の少女


「あれ……ここ、どこだ?」

気がついたら見知らぬ室内にいた。
部屋の中は、モデルルームのように綺麗に片付いていた。置かれている家具と電気製品はとにかく金を出してすべて買い揃えたといった風で、使用された形跡は見当たらない。シンプルで、機能的で、生活の匂いが感じられない。そしてどこか非現実的だ。
寝そべっていたカーペットも染みひとつないどころか、埃さえ落ちていない。

「誰かいないのか?」

少し大きな声で呼びかけてみるも、返ってくるものは何もなかった。
窓から見える風景は、大通りに面していたが、騒音は全く聞こえない。決して暗い時間帯ではないはずなのに、人影もない。まるで異空間に迷い込んだかのような気分だ。

「……ん?」

部屋の隅にあったのはーー帽子を被った兎のぬいぐるみだ。家具などが真新しさを感じさせる中で、そのぬいぐるみだけは薄汚れていた。
興味本位でぬいぐるみに触れようとした刹那ーー

「リドルくん!」

「わっ!び、びっくりした……」

てっきり誰もいないと思っていたから、背後から名前を呼ばれたときは心臓が飛び出るかと思ったくらいだ。
慌てて振り向くと、そこには見知らぬ少女がニコニコと人懐っこい笑みをたたえながら佇んでいた。

「えっと……?」

「わたし、アリス・ソリティア。よろしく!」

まだ中学生くらいに見える彼女は、花が咲く笑顔で元気に自己紹介をした。
リドルが戸惑っていると、アリスと名乗った彼女は彼の腕を引っ張った。

「キミとね、一度お茶したかったんだ。来て!」

「え、お茶?ちょっ、引っ張るな!」

「リドルくん、紅茶は好き?すっごく美味しいのがあるの!」

制止の声も聞かずに彼を椅子へ座らせ、自身は近くに置いてあるティーポットへと手を伸ばす。

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