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花火 ー呪術廻戦ー

第5章 初夏


初対面から顔がめちゃくちゃタイプだと思ってましたと、追い詰められた犯人のように白状させられる。
それにしても五条か〜、えー五条か〜とかなり納得できない様子の硝子であったが、ややあって、でもまぁとニコリと笑う。


「めちゃくちゃ面白そうだから応援するよ」

「いつも通りでお願いしますっ」


遠慮しないで〜、してませんっのやり取りをしながら、部屋へ到着する。
ふーと息を吐いてベッドに腰掛けてから、そこで気づいたように、ん?となまえは首を傾げる。


「…というわけだったから、私休む必要なくない?」

「そうだね〜。でも、休んだ方がいいよ。やせたと思ったの本当だし」


やせたというかやつれた? 多分、あの2人もそう思ったから休んだ方がいいって言ったんだよと続けられる。
え?本当に?と、自覚症状のないなまえは驚いて目を見開く。
自分のこととなると、案外気づかないものなのか。


「最近、食べる量もなんか減ってたよ」

「えー…全然自分では分からなかった。本当に夏バテだったのかな」

「任務も続いてたから、疲れてたのかもね」


とにかく今日は寝て寝てと、ベッドに押し倒される。
きゃ、照れるとふざければ、なまえ、若干五条化してきたねと言われて、顔を絶望に歪ませるなまえ。

「そんな顔するほどなのに…恋って恐いねー」

「恋とか言わないでっ、なんかまだ心の整理できてないっ」

「あはは、とにかく休んでて。なんか軽く食べられるもの持ってくるよ」

ひらひらと手を振って部屋を出る硝子に、ありがとう〜と声をかける。
バタンとドアが閉まり、静かになる部屋。
大人しくベットの上で天井を見上げ、ふーーと長く息を吐き出す。

まさか、硝子にばれるとは思ってなかった。
というか、まだ気持ちとしても若干の不確定さがあるから、これは恋だと言い切れる自信がないのもある。
もっと冷静に返していれればと、自分の行動を振り返って、改めてその分かりやすさに恥ずかしさを感じて両手で顔を隠し、ゴロゴロ転がる。

でもー…

動きを止めて、顔からソッと両手を外す。


硝子に聞いてもらって、少し、心が落ち着いたのも確かだった。
相談できる相手ができるというのは、こんなにも安心できることなのかとなまえは思う。
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