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花火 ー呪術廻戦ー

第13章 再会


胸を張る釘崎に、疑問の視線を向ける虎杖。彼が抱えている子供は、その時に助けたということだった。なるほど、と頷くなまえに、次は二人が疑問をぶつける番だった。

「それで、先輩はここで何してんの?」

「私は任務で呪霊を祓いにきたんだけど…」

「ダブルブッキング的な?」

「…かな?」

自分でも、自分の身に何が起こったのか。いまいち分かっていないが、後輩にあまりかっこわるいところは見られたくない。適当な笑顔でごまかすなまえに、特に気にした様子もなく、虎杖はふーんと頷いた。

「んじゃ、先輩。俺たち先生達待たせてるから行くけど、一緒に行く?」

問われて、なまえは首を横に振る。

「ううん。まだここでしなきゃいけないことあるから」

「そっか。なんか手伝う?」

「虎杖くんいい子だね。大丈夫だよ。ありがとう」

さりげない気遣いに、なまえは思わず少し感動してしまう。
去っていく彼らに手を振って、一人になった彼女は、近くに転がっている段ボールの一つに腰掛けた。

「…っ、ふー…」

中々引かない頭痛に、なまえは息を吐いた。後輩である彼等と、一緒に高専に戻っても良かったが。体調が悪い状態をあまり後輩に見られたくなかったのが一つ。
あとは、もう少し、自分の身に何が起きたのか、調べておきたかった。


「…虎杖くんと、釘崎さん、か」


新しく知った後輩達に、ここ最近落ち込んでいたなまえの気持ちは少し和らいで。知らず、口元に笑みを浮かべていた。
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