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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第6章 日常




……

私が師範の頬をひっぱったのと同時くらいに

師範が目覚め、私の方を向いた。


私は、よほど面白い顔をしてたんだろう。


師範が盛大に笑い出す。


〜〜!!

わ、笑い事ではありません!

朝餉の支度ができたので起こしにきたのに、
師範ってば、寝ぼけて…!


まだ笑い続けているが、
杏寿郎はなんとかこらえながら


…それは、すまなかった!
では、起きるとしよう。


と言った…と思う。


言い終える前に、
部屋の襖がスパーンっと開き、

最後まで聞こえなかったから
あくまで予想である。



襖が開くと同時に、
槇寿郎が、

杏寿郎!いつまで寝ている!


と、声を上げていた。


…!

美玖は、襖に背を向けるように
杏寿郎に抱かれていた為、

槇寿郎の姿は見えない。



槇寿郎と杏寿郎の目が合う。



………。



槇寿郎は目を閉じて、

ゆっくりと口を開いた。



お前たち…
そういう事は、
祝言を上げてからにしろ。



ー…パタン…。



一言だけ言い残し、

そのまま槇寿郎は部屋をあとにする。




…し、師範…。
槇寿郎さん…何か、とんでもない誤解を…



…しているな!




〜〜!


美玖はガバッと起き上がると、

杏寿郎を残して槇寿郎を追った。



槇寿郎さん〜!誤解です〜…!!



それを可笑しそうに聞きながら、

杏寿郎はゆっくり起き上がると
寝巻着から普段用の着物に着替えた。



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