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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第6章 日常





煉獄家に朝がきた。


近頃の煉獄家は、

以前とは明らかに違っていた。


美玖!
君も千寿郎と共に
朝餉の準備をするんだ!

嫁の貰い手がなくなってしまうぞ!


ゔっ…
朝から耳が痛い…。

とんでもなく、
最悪な起こし方である。



槇寿郎さん…
朝から恐ろしいことを言わないで下さい…。


先日、大復活を遂げた、
師範のお父様である、
煉獄槇寿郎。


彼は、美玖が
煉獄家に引き取られた最初の頃ような

太陽のような笑みを浮かべて続ける。


何!本当の事だろう!
修行ばかりでろくに家の事を
習っていないのは知っている!

千寿郎について学ぶといい!
美玖は女子なのだからな!


ううぅ…
師範のような口調で、

師範が突っ込まないような事を
ビシバシと言ってくれる…。



はい…。
ではお台所へ行って参ります…。


よしっ!
あぁ、それと、
隊服ではなく着物を着るようにな!

綺麗に着付けられないようでは、
これまた嫁にいけんからな!


はっはっはっ…と
高笑いをしながら槇寿郎は
美玖の部屋を出る。



ー…


千寿郎くん、おはよう。


美玖さん!お早いですね!
どうされたんですか?


…槇寿郎さんに、
朝餉の準備を覚えろと言われて…



そうですか、父上が…!

では、しっかりと覚えられるよう、
僭越ながら私からお教え致しましょう!


ありがとう…千寿郎くん…。


煉獄家に帰ってきてから、

槇寿郎さんは、師範に家督をお譲りになった。


ずっと、部屋で塞いでいた槇寿郎が、
それ以来、別人のようにはつらつとしていた。


槇寿郎さん、
元気になって、良かったね!


千寿郎くんは
にこにことして、


はい!とても…とても嬉しいです!!


と、満面の笑みを浮かべた。


千寿郎と笑い合いながら、
朝餉の準備を急ぐのだった…。



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