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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第5章 変化





炭治郎達との出会いから一夜明け、

蝶屋敷で目覚めると…



…!!?


私のベッドの傍に、

師範が座っていた。


………


な、なんで居るんだろう…。

あれかな?
そろそろ帰ってこい…とか?


あれこれと思案していると、


杏寿郎は目を開いた。


師範とは、
当代炎柱であるこの男

煉獄杏寿郎である。


美玖の使う呼吸は
炎の呼吸といって、

代々煉獄家で継承してきたものだ。

煉獄家の者ではないが、

杏寿郎の弟子にして
炎の呼吸を扱う剣士は
継子の美玖のみだ。

他にも弟子は居たが、
修行に耐えきれず逃げ出したり、
他の呼吸を極めたりと様々だった。


杏寿郎は、
起きている美玖に気がつき、

無言で布団を剥ぎ取った。



……っ!
し、師範?!…何を…


予想だにしていなかった美玖は、

はだけた浴衣から覗く、
胸元や太腿を隠そうと必死に動く。


杏寿郎は美玖の
顔から爪先までを確認し安堵の息をつく。



ー…

ー……


…時は遡り、昨日の事。


当代炎柱、煉獄杏寿郎は
自室で悶々としていた。


美玖が蝶屋敷の厄介になり、
10日近くが経っていた。


あの後、すぐに帰ると思っていたが、

胡蝶の鴉が手紙を咥えてやってきたのだ。


内容としては、

まあ、

子離れするいい機会だから、
しばし放っておけといったものだった。

…先日宇随から、
同等の忠告を受けたのもあり、
蝶屋敷で過ごすのを容認していた…が。


…そろそろ、
帰ってきてもいい頃ではないか?

次より、任務も任せよう。
しっかり送り出すと誓おう!

だから…


… 美玖にはやはり、

ここ煉獄家にいて欲しい。


本人がここまで望むのなら、
もう俺も何も言うまい。


子を想う余り、
窮屈な思いや過剰な庇護をして、

出て行かれた親の心情…


例えるなら
杏寿郎の心の内はそのような感じであった。



このように、
自室で悶々としている時…


お館様の鴉が部屋へ飛び込んできた。




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