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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第12章 形影一如




「だって…帰りたい、なんて思うかなぁ…?」

「……は?」

「だってずっと2人きりででしょ?
帰らなきゃとは思うけど、
帰りたいなんて思わない気がする」

にこっと照れ笑いをする。

「…お前はさぁ…」

「?」

俺がおかしくなるのは、
間違いなく睦のせいだ。
だって可愛すぎる。

そんなの言うまでもなく、その通りなんだよ。
睦と2人で過ごしたいなんてのは
いつまで経っても変わらねぇ。
でもそれを、こいつに言われるとは思わなかった。

「ホント可愛いのな。
俺も同じだけどなぁ…。じゃ
5日間の旅にするか」

「5日間?」

「あぁ。期間を定めねぇと、終われねぇだろ?」

睦は納得したように数回頷いた。

「うん…。終わりがわかってた方が
楽しめる気がする…」

「おぉ、それはそうだな」

終わってしまう事を嘆くより、
期限までどれだけ楽しめるか、
そんな風に考えられる睦が微笑ましい。

「今日は…」

言いかけると、うんうんと頷きながら
俺の背中に手を回した。
睦の毛先を指で弄びながら
そっと抱き寄せる。

「したことのねぇ事を、たくさんしよう」

「…したことない、事?」

「あぁ、初めてのこと見つけて。なぁ?」

「…」

睦の反応の無さに少し不安を感じて
顔を覗き込んでみた。
すると紅潮した頬で、睦は
じわじわと浮き足立って行くのが見て取れた。
……

「うん!すごい!そんなことした事ないよ!
嬉しい…。大変、私おかしくなりそうだよ」

喜びを素直に口にする。

「そんなに喜んでもらえて良かった。
お前が楽しいと俺は嬉しい。良い日にしような」

「うん、ありがとう」

これから楽しくなるだろう1日を思い浮かべ
俺たちは微笑み合う。

非日常はいつまでも続かないけれど、
2人の日常はいつまでも続いて行くと思うと
睦以上に浮かれてしまう俺だった。





☆ミ


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