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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第52章 スルタンコラボ更に追加 〜睡蓮の願い〜





「だってこんな所で…‼︎」

「誰も居ねぇ」

「外でしょ!」

「愛の確認…」

「こんなとこでしない!」

「真面目な睦ちゃん。
外じゃできねぇか」

「真面目とかじゃないでしょ」

「わかったから泣き止めよ」

「これは…気にしないで、」

「気になるわ」

優しい囁きが瞼に触れた。
右と左、1回ずつ。
ゆっくり瞼を開けると
熱を帯びた瞳がそこにあって
呑まれてしまいそうになった。

少しまずいような気がして
俯こうとするけれど
私の顎に長い指が添えられて

「睦こそ、俺のこと好きなのかよ」

責めるような言葉を浴びせられる。

「…好き」

「どうだかねぇ…」

「好きじゃなきゃ、こんな事できない…」

「ならなんで、あの出発の前の日
俺のこと追い出した」

「追い出し…て、ない…
追い出したんじゃないの…」

がっつり誤解されている…
それが悲しくて、また涙が零れた。

「アシルが…」

その名を聞いて

「またアイツかよ…」

吐き捨てるように天元は言う。
私に絡んでいた腕も力無く落ちた。
それがひどくショックだった。

どうしよう、
間に合わなくなってしまう…?

どうしよう…

「違うよ、聞いて」

「それ聞かなきゃだめか?今疲れてんだけど。
お前以外の話、聞くほどヒマじゃねぇ」

「天元…」

あぁ、

何を間違えたんだろう。
私はただ、
あの2人を見守っていたかっただけなのに。

私の前からスルリと抜けていく彼の腕を
ハッシと掴み

「ジャナの事が好きになって!」

無理やり話を進めた。

「……」

「ジャナも、アシルの事が好きで」

「……」

天元の顔は見えない。
前を向いたまま。
私からは広い背中しか見えない。

その背中が、怒ってる
ずっと怒ってる
私のせいで…

「どうしても、うまく行ってほしくて…
願掛けをしたの、2人がうまく行くようにって…
だって天元だって嬉しいでしょう?
可愛い弟が幸せになれるなら」

だけど、私の身勝手だ。
わかってるけど…

「ジャナがあんなに泣いて…。
でも必死にアシルを追いかけてる所を見てたら
どうにかしてあげたいって思ったの、
ほんとに、ごめんなさい…」

謝っても、振り向きもしない。
見上げた所で
あの優しい瞳はそこにはなくて。

それどころか、声すら発しない…


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