第52章 スルタンコラボ更に追加　〜睡蓮の願い〜

「それができたらいいのに…」

「言う方は簡単よね…ごめんなさい」

解決にはならない会話。
天元ならまだしも、
私に恋愛相談なんか受ける資格はない…
まともな恋なんかした事ないんだから。

「でも私…明日も…」

「えぇ⁉︎明日も⁉︎会うの⁉︎」

びっっくりだ！

「……だいすきじゃん…」

アシル…
私のあのひと言から始まったのが
こんなに大きな気持ちに成長するとは…

私にも予想できなかった事だ。

「だいすきって！そんなのじゃありません！」

飛び上がって驚くジャナ。
だけど…

「えー…？そこまでされたらさ、
さすがにジャナだって気がついてるでしょう？」

「何にですか⁉︎何をですか‼︎」

「言わせたいの？」

「恐れ多いです！恐れ多いんです‼︎」

ジャナは大声で叫く。
…私以上か。

「私も庶民なんですけど。
しかも他所者なのよ？下手すりゃ不審者よ。
それが今じゃ、こんなでしょう？」

ジャナは涙目で私を凝視めていた。
そりゃどうしたらいいかわからないよね。

「周りの人たちに申し訳ないくらいだわ。
どこのどんな女かもわからないようなのが
ある日突然やって来て、
いきなり王子様の奥方ですって…
そんなこと言われても
納得できるわけがないわよね」

ジャナはよく理解を示してくれたものだ。
最初から私に寄り添ってくれていたもの。
私がそれにどれだけ救われたか…

「それなのに、今はみんなによくしてもらって
あんなに出て行きたかったのに
今はすごく居心地がいいの。これも
絶対にジャナのおかげだって思ってるのよ。
だから、今度は私がジャナの助けになりたい」

茶化してるわけではないと
それだけはわかってもらいたくて、
今まで思っていた事をジャナにぶちまけた。

ジャナはとうとう泣き出して

「アシル様を私なんかが…
だけどどうしたらいいかわからないんです」

自分のやり場のない想いを曝してくれる。
だけど、
やっと言ってくれた。
認めてくれた。

ジャナも、アシルを好きだって。