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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第52章 スルタンコラボ更に追加 〜睡蓮の願い〜






「どうしてかしら…。
私とはこうして会話ができるのにね?」

わざとそうけしかけると

「わからないんです!
私が答えるまで
アシル様はずっと待って下さるんですよ、
すごく優しいから!
なのに私は、どうしてもうまくできなくて…」

ジャナは震える声でそう訴えた。

ほんとに可愛い!
それはね、意識してるからだよ!
好きな事に気づいていないのかな…

まだ蕾みたいな想いなんだね。
少し前の私を見ているようだ。

…私の場合は、もっと物騒だったけど。
こんなにほんわかしていなかった…。

「睦さまっ」

「はいっ」

「こちらへお座り下さい!」

「はいっ」

ジャナの勢いに負けて
私は彼女の隣に腰掛ける。
例の大きなソファだ。

ピッと背筋を伸ばし
両手を膝の上に揃えた。

「睦さまは、王子様とお話しをする時
緊張とかされませんか?」

「今はしないわ…」

さすがにねぇ…
身体の関係まで持っているくせに
話をする事に緊張なんかしていたら
その方が気持ち悪くない…?

「最初はしましたか?」

「えぇ…?」

緊張…緊張?
したかな…
覚えてない…

あの時は、
アシルに天元の暗殺を命じられて怖かったけれど
そんな恋愛的な緊張感があったかなぁ…?

こっちは
恐ろしい事を遂行しなくてはならないのに
向こうはやけに優しくて
甘い行為を仕掛けてくるしで
戸惑いならあったような無かったような…

なんにせよ曖昧だ。
情けない。

「しなかったんですね…」

頭をあれこれ悩ませていた私を
勘違いしたジャナは
がっくりと項垂れて言った。

「そんなこと忘れちゃったのよ!
でもジャナだって知ってるでしょう?
私、最初はあの人のこと
大嫌いだったから…」

「そう、でしたね…」

ジャナは一筋の光が差したかのように
きらきらの瞳で顔を上げる。



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