• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第9章 好敵手






「…天元…」

あぁ、天元て、
宇髄さんの事だ。
…あれ……。

「…睦さん?」

「どうかした?」

雛鶴さんとまきをさんが両脇から覗き込んでくる。

「…何でも…」

何だろう。
違和感。

「大丈夫?」

「うん、大丈夫です。…カマもいただいていいですか?」

笑顔を見せるとまきをさんはお皿を寄せてくれる。

「たくさん食べて元気出しな!」

「はい、ありがとうございます!」

…あれ?元気ないように見えたかな?













部屋に籠って書き物をしていると
障子の向こうに人の気配を感じた。
もう真夜中。
こんな時間に訪ねて来るヤツと言えば…

「失礼します」

「…おぉ」

障子を開けて入ってきたのはまきを。
何やら深刻な顔をしている。

「…どうした?」

なかなか言い出さねぇまきをに声をかけると
俺の前に正座をした。

おぉ、座り込むのか。
本格的に話があるらしい。
まきをは言いにくそうにしていたが
大きく息を吸い込んで…。

「天元様…私が口を挟むような事でないのは
重々承知なのですが…」

そう前置いた。

「…何だ?」

「睦さんと会ってます?」

……

「…は?」

「最後に睦さんと会ったのいつですか?」

睦と会ったの…。

「3日前」

「3日…」

顎に指を添え考え込むようにした。

「何だ、睦がどうかしたのか?」

「いえ…何か様子がおかしいというか…」

まきをはふわふわとした言い回ししかしない。
…気になる。

「どうおかしいんだ」

「はっきりとはわからないんですけど。
元気がないというか、ぼーっとしているというか…」

「…ぼーっとしてんのはいつもじゃねぇか?」

「そんな事言ってると知りませんよ?
睦さんの気持ち、よそに向いちゃいますよ?」

「……」

まきをの言葉に、
俺は知らず、目つきが悪くなる。


「私を睨まれても困ります」

「——どういう見解だ」

まきをは少し思い出すようにした。

「…んー…。何て言うか…
初恋、みたいな目してますよ、あの人。
私の勘違いかなぁ…。
でも天元様の名前聞いたとき、
何かおかしかったんですよね…。
誰だっけ、みたいな感じがしたんです」

そいつは穏やかじゃねぇなぁ…。




/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp