• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第9章 好敵手




「まだあるんですか⁉︎」

「たくさん食べて下さい!」

ニコニコの2人に、少し戸惑う。

「…みんなも一緒に…?」

「え?」

雛鶴さんが振り返る。
…だって…

「1人でこの量は…」

およそ一人前ではない…。
2人も、並んだ料理を見下ろした。

「…みんなで食べましょう、雛鶴さん!」

須磨さんが声をあげてくれる。

「そうしてくれるとありがたいです」

私も一言添えると、
雛鶴さんは困ったように笑った。

「その方が良さそうですね」




全員分のお箸と取り皿を用意していると
見事に焼き上がったカマを手に
まきをさんが入ってくる。

「あ、睦さん!おかえり!
見て、美味しそうに焼けた…」

部屋の様子を見てまきをさんの表情が変わった。

「何で須磨が食べようとしてんの⁉︎」

「あ!まきをさん!私がお願いしたんです!
量があんまり多くって…。
それに1人よりみんながいてくれた方が楽しいから…」

慌てて説明すると
怒りかけたまきをさんが黙り込んだ。
食卓の上を見て、

「…そう、なの?」

私を振り返る。

「まきをさんも一緒に食べましょう?
その方が私も嬉しいな」

ニコッとしてごまかすと、まきをさんも
仕方なさそうな顔をしてし頷いてくれた。
そうして女4人の
楽しい晩餐が始まったのだ。

「おいしい!幸せ!」

須磨さんがほっぺたをおさえて言うと

「あんた食べ過ぎ!」

まきをさんが怒り

「ごはんの時くらい静かにできないのかしら」

雛鶴さんは呆れたように言う。
まるで3姉妹のような会話に笑ってしまう。

「いいなぁ、楽しそうで」

ぽつりと溢してしまった一言に
3人が思い切り反応した。

「睦さんも一緒ですよ⁉︎」

「仲間はずれになんかしてないからね!」

「これもおいしいからたくさん食べましょう!」

一斉に私に構ってくれる。

「あはは、そんなつもりで言ってませんよ。
一緒にいると楽しくていいなって言ったんです」

すると3人とも安心したのかホッと息をついた。

「こんなにたくさんのお魚すごいですね。
どうしたんですか?」

私が訊くと、須磨さんがニコニコ笑った。

「仲良しの魚屋さんがくれたんですよ!
今日はたくさんとれたから持ってきなって。
あんまり多かったので天元様にも
お裾分けしてきたんです」



/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp