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自惚れFall in love

第4章 4ライバルは係長


4ライバルは係長
昨日、梨沙との初夜を過ごし、真面目に交際宣言した日の次の朝。俺は梨沙の家から朝8時半までに会社に行った。職場のロッカーにはいつお笑いの仕事があって新宿出てもいいように紫のスーツ置いてある。慣れないこの町工場オリジナルの作業着を着ていると、隣にフォれの顔をじっと見ている奴が一人。一瞬もうひとりフォれがいるのかと思ったけど違う。ドッペルゲンガーでもない。ただフォれの顔と雰囲気が似てるだけの双子のような他人、係長の近藤。なぜかフォれの隣のロッカーだった。
「松井君はさ、昨日梨沙ちゃんの家行ったみたいだね」
フォい、松井さんから松井君になってんぞ。
「松井君でいいよね?だって俺達ほぼ同い年でしょ?」
「まあ、俺は1983年11月生まれで近藤さん1984年7月生まれで36歳だけど」
「でしょ?あ、俺の事も近藤君でいいから」
てか、いくら先に誕生日きてて俺が後で誕生日来るとしても83年と84年生まれな訳だから俺が年上なんだけど。係長ってだけでかなり上から目線。そういえば梨沙から聞いてたけどこいつ、怒るとガチで怖いらしいから喧嘩は売りたくないが。「最初松井君のぺこぱのお笑いユーチューブでみたときボウっと見てたんだよね、芸人さんだなあって思った」「あ、そ」
たしか梨沙の伯父さんが最近まで働いてたからそのコネで梨沙と無理やりメール仲になったとかいってたけど、梨沙が勧めてくれてたらしい、ぺこぱ、を。てかボウっとみるようなネタじゃないだろフォレたちのネタは。芸人さんだなあとかそりゃ、フォれは芸人さんだともさ。でも、さっきの最初の言葉聞き捨てならない。
「なんで俺が梨沙の家行ったことしてるんだよ」
「そりゃ、昨日俺は夜の8時まで残業でそのあと梨沙ちゃんの家に絶対誰か行ってるなあって予感してたから」「梨沙の家なんでお前が知ってるんだよ」「そりゃ最近まで梨沙ちゃんの伯父さん働いてたし住所でわかるでしょ?それに、なんか外まで聞こえてたんだよねえ、甘言密語なお二人さんの声がさ。ずっと終わるまで車近くに付けてたから」ニヤリ。嫌な笑い。「俺の梨沙だから」
フォれは真剣に近藤に言った。「ふーん、俺の梨沙、ときたか、なるほどね」ばたんとロッカーをしめると近藤は一言俺に言った。「今日から俺たちはライバルだな」
突然のライバル宣言。負けるもんか。


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