第6章 ラッキースケベ

～ジェイドver～

放課後、おなじみのモストロ・ラウンジでのバイトにて問題が発生。私達の監督対象であるグリムが暴れたおかげで、運んでいたデザートをもろに被ってしまったのだ。仕事中であったのに、更衣室にいったん戻って着替えねばならず、非常に面倒くさい。

「うっわ～…ベトベトだ…ったく、グリム後で絞めてやる。」

ベトベトになった服を更衣室に入りとりあえず脱ぐ。そして代わりの服を上を脱いだ状態で探す。新しい服は確かこの辺に…

がちゃ…

「………へ、」

「………おっと、」

後ろからドアが開く音がして、バッと振り返ると…そこには同じく驚いた様子のジェイドが立っていた。咄嗟にその辺にあったタオルを掴んで身体を隠す。

「失礼いたしました。」

「え、いやいや…何で入ってきた？？」

謝罪はするものの、さも当然のように更衣室に入ってきてドアを閉めたジェイド。私は混乱するばかりだ。そのすました顔は何だ…

「いえ、外に出ると他の方がいらっしゃるので…その他大勢に見られるくらいなら、僕一人だけの方がいいかと。」

「先輩が外に出るという選択肢は……」

キョトンとした顔をするなし。絶対確信犯だろ…この人は本当にむっつりスケベなんだから…口で言うフロイドよりいくらかタチが悪い。しかもニコニコしたままで動く様子が全く見られないし。

「あの、着替えたいんですけど…」

「えぇ、どうぞ。僕のことはお気になさらず。」

「私は気にします。」

「別に撮影をして弱みを握ろう、だなんて思ってませんよ。」

逆にそんなの予想してなかったから逆に怪しいわ。というか、弱み握られたらジェイドだけじゃなくて、アズールやフロイドにも筒抜けになりそうで怖いんだが…でもきっと、もう何を言ってもコイツは引き下がらない。