第5章 告白
~アズールver~
「ふうっ…今日も無事終わったぁぁ!!」
モストロ・ラウンジでのバイト終わり。今日はお客さんとの問題も起こることなく平和に配膳できた。のびをしていると、奥からアズールが出てきた。
「お疲れ様です、かなさん。」
「あ、アズール先輩!お疲れ様です。」
「今日もありがとうございました。……ところでご相談が。」
「はい?なんでしょう。」
アズールから相談だなんて珍しいこともあるもんだ。基本的に何でも器用にこなすから、私みたいな一般的な生徒には相談しない印象がある。ということは、この間みたいな…メイド服を着ろとか言う相談じゃないだろうな…
「僕はこういうお洒落なカフェで欠かせないものがあると思いました。何だと思いますか?」
「え、えーと…なんでしょう…」
「それはやはり伴奏とともに盛り上げてくれる歌姫です。」
「あ、確かに…いたらよりオシャレになりますね。」
「大きなシャンデリアの下にピアノを置いて、食事中に美しい歌声とのハーモニー…僕はそういうようなカフェに憧れているんです。」
「めちゃくちゃいいじゃないですか!!」
ああ何だ、杞憂だったかもしれない。元の世界でもそういうお洒落なお店はあったから何となくわかる。ただお洒落過ぎて自分なんかが入っていいのか、なんて思って中々入らなかったけど。
「んー、でもそれだともっと広いスペースが必要になりますね。」
「あぁ、ご心配なく。スペースならもう確保してあります。」
「さすがアズール先輩、仕事が早い。」
カフェの横に広い空間が出来上がっていた。……ん?でも待って、ここまで用意ができていて相談も何もないんじゃないか。もうやる気満々じゃん。