第5章 告白
~レオナver~
植物園にて、次の錬金術に使う薬草の下見に来た私。相変わらずここは小さなジャングルみたいで何か目印もないため迷いそうなんだよなぁ…と呟く。下向いて歩いていたら、何か動く気配がして茂みの中を覗いてみる。
「………またサボりですか、おじたん。」
「……あ?人のこと言えんのか。」
寝っ転がって気持ちよさそうにあくびをしているおじたん、もといレオナを見つけた。よくここでサボってることは知っていたが、こうも毎回ここにいられると…だから植物園の管理人なんて呼ばれてるんだよ。
「今日は授業はありませ~ん。ていうか、そもそも私はサボったりなんかしません。」
「あぁそうかよ。」
「レオナ先輩は普通に授業でしょ?またラギー先輩に怒られますよ。」
「うるせえ、オレの勝手だろ。」
いつもいつも呼びに来るラギーがいい加減かわいそうだろ。その度にストレスがかかってイライラしてるのをよく見かける。はぁ…とため息をつき、薬草探しを続行しようとくるっと来た道を戻ろうとすると、不意にレオナが足を引っかけてきた。そのままバランスを崩しレオナの上へと倒れこむ。
「おい、そのまま行くなんて薄情だろ。」
「え、だっていつも……」
「いいからオレの抱き枕になれ。」
「はぁ!?ちょ……」
ギュ、と抱きしめられて驚きと戸惑いが出てくる。慌てて距離をとろうとしたが時遅く…そのまま抱きしめられてしまった。そして首元に息を吹きかけると、満足そうにゴロゴロと喉を鳴らした。
「首はやめてっていつも言ってるでしょうが!!というか、いつもは抱き枕なんて持ってないのになんで今日に限って…」
「お前がいれば別だろ。普通の抱き枕なんざ求めてねぇ。」
「はぁ?相変わらず勝手だなぁ…」
私なんかより上質な抱き枕なんて山ほどあるというのに…わざわざ私を選ばなくたってお金でいいの買えるのにね。なんて考えてると、レオナがため息をついた。ため息をつきたいのはこっちなんですけど?