第2章 BL疑惑
~デュースver.~
魔法史の授業がやっと終わった。あー、おなかすいた…2限って一番おなかすく時間だよね。食堂へ移動しようと席を立つが、デュースがエースをじっとみていることに気が付いた。
「デュース?…デュース!!!」
「あ!?な、なんだ…?」
最初の呼びかけにも答えなかったので、耳元で叫んでみる。そしたら元ヤンが少し現れた返事をする。
「どうしたの?エースなんか見つめて。」
「なんかってなんだよ。」
「い、いや…何でもない。」
私の顔をみて答えたが、そのあとまたエースの方向を向いてしまった。こんなに見てるんだから何でもないことはないと思うんだが…もしかして無意識か?無意識で見つめるってことは…もしかして恋?ここまでの思考にいたるまでコンマ2秒だった。
「デュース君。」
「ん、なんだ?」
「もしかして…好きな子がいるな?」
「はぁ……?いや、まぁいるが…」
ほぉらやっぱり。……あれ、でもすきなことを自覚できているな…でもこの鈍感デュースくんのこと、好きって言ってもマブの好きだと思っている可能性がある。
「その恋、もしかして禁断の…というか恋しちゃダメな相手とか?」
「うん?禁断…いや、禁断じゃないと思うが…まぁ確かに…住む世界が違うしな。」
「いつも一緒にいる?」
「そうだな。」
「意地悪してくる?」
「まぁ…わりと。」
「素直じゃないところもあるかな。」
「そうだな、まぁそれも魅力のうちだと思うぞ。」
私が思い浮かぶエースの印象をあげてみる。そしたら見事すべてに肯定するじゃないか。しかも魅力だと思ってる、だなんて。下手ぼれじゃないですか、なんてお熱い。
「ふふふ、そっか…私、応援するからね!」
「応援……?お、おう…ありがとう?」
「…ということで、私はグリムと中庭でご飯食べてくるね!」
「え、なんでだ。」
「そりゃ邪魔しちゃいけないし。大丈夫だよ、男同士でも私は引かないし!!あとはお2人で時間を過ごしてください!!」
あわよくば、私がいないときにどういうことをした、とかどんな会話をした、とか聞ければいいなぁ…とか思いながら襲いながらも颯爽とこの場を去る。お幸せにね。