第2章 BL疑惑
「デュース・トラッポラとか?めっちゃええやん…」
「よくねぇよ。あのなぁ………はぁ、」
「なに?」
1人で盛り上がってると、エースが大きなため息をはいた。迷惑してる、とかそういうため息ではない。ちょっと不機嫌そうにエースは言った。
「オレ、結構アピッてんだけど?」
「デュースに??」
「ちっげぇよ!!!…オレが好きなのはお前なんだけど。」
「デュースは…」
「デュースは…別に、確かに?一緒にいること多いし?でもそれで恋愛感情に発展することはぜっっっっってぇありえねぇから!!!」
「ええぇ……」
そんなに力いっぱいに否定しなくても……でもまあ、そっか。確かにずっと一緒にいるんだから、間接キスとか一緒に寝ることもあるか?お前が好き、と言ってくれたエースが本気の顔だったので納得せざる得ない。
「てか、やめてホントに、鳥肌もんだから。」
「ノー、デュース・トラッポラ?」
「ノー。」
「………あ、じゃあ、エース・スペードは?カッコイイよ!!!」
「…お前はホントに…人の話を……聞けっっ!!!!」
「痛い!!!」
調子に乗ってファミリーネームで弄ったら、エースに頭をチョップされる。こうやってからかうとすーぐ暴力なんだから…
「もー…ちょっとからかっただけじゃぁん…」
「ふーーーん???そうかそうか。」
「なに…?」
「こーーんなにアピールしたのに、お前はオレの気持ちに全っ然気づいてくれないわけね?じゃあもっといかなきゃいけないってことだな、よぉぉく分かったわ。」
「え?いや、気づいてる気づいてる!!」
さっきまで私の方が優勢だったはずなのに、いつの間にか迫られていた。その明らかに怒って笑っている顔が怖い。エースは私の両肩にポン、と手を置くと耳元で囁いた。
「明日から覚悟しとけよ?」
終わった…