第2章 BL疑惑
「でも、エースとデュースの方が好きです。」
「「なつき…」」
「何でですか?」
かくかくしかじかとなつきに説明をする。途中からなつきの顔がぷるぷると笑いをこらえているような顔に変わっていく。そして説明が終わったとき、こらえられないように吹き出す。
「え、ちょっと待って。何、かなちゃんこんな茶番に付き合ってたの?」
「いやぁ、なんか真剣に言うもんだからさ。」
「そんなん君と一緒にいるための口実じゃん。」
「へっ?」
一緒にいるための口実?今まで付き合ってたことが?なつきは相変わらず笑っていて、フロイド先輩の好きな人がわかったら教えてね、といい2人を連れて行ってしまった。意味深なことを言っておいていかないでもらえる?
「サンゴちゃん、オレのこと好きだって。でもカニちゃん達に負けた~」
「あの2人に勝てると思わない方がいいですよ………あの、なつきが言ってたこと、本当ですか?」
「小エビちゃんはぁ、どっちだと思うの?」
「えっ、どっちだと思う?う、うーん…でも本当に恋って分かってない場合もあるし…」
フロイドはあまり頭が良くない、と思いきやオクタヴィネルの2人にも負けず劣らずの頭の良さだ。ただしかし、恋に関しては意外と年相応で、詳しくない、もしくは自覚していない、ということが考えられる。
「じゃあ~、ずっと聞いてなかったんだけど。小エビちゃんはぁ、オレのこと好き?」
「へ?そりゃ好きですけど。」
「うん。オレもぉ。」
もちろん推しとして。私達の世界にいたとしたら、もしかして本気で好きになってたかもしれないけど。フロイドもいつものように好きだと伝えてくれる。
「付き合ってくれてありがとー」
「どういたしまして。あ、もし先輩に好きな人ができたら応援しますからねっ!」
「うん、じゃあ今答えてくれんの?」
「え?」
「オレ、好きな人は小エビちゃんしかいねぇんだけど。だから……オレの好きの基準に付き合ってよ。いっぱい教えてあげる。」
死亡フラグ。