第2章 BL疑惑
~ラギーver~
「こんにちは!今日も手伝いにきましたよ!!」
「ん、あー…なつきちゃん。どーもっス。」
勢いよくドアを開けて部屋に入っても、ラギーは驚くことはない。いつものことだし、そうやって入ってくることにもう何も言われない。少し残念。私が来る前にスマホを弄っていたみたいで、ポケットに入れるのが見えた。
「メイド服とかがよかったですか?」
「いや、いいっス…ツッコミが追い付かなくなるんで。」
「えー…」
「はいはい、んじゃそこの皿洗いからお願いするっスよ。オレはちょっと別作業してるんで。」
「はーい。」
まぁこのやり取りも慣れたもんで、これ以上は駄々をこねないようにする。たまったお皿をおとなしく洗う。いつもながらに多いなぁ…ラギーママいつも大変だなぁ、と思う。
「そーいえば、何で私ここにきて手伝いをするのが普通になっちゃったんだろ。私に利益なんてないのに…ラギー先輩に会えるくらいしか……聞いてます?」
返事が返ってこないと思ったら、ラギーはスマホを弄っていた。さっきも弄っていたが、私が来てるときにそっちを優先するなんて珍しい。
「…んぁっ?なんスか?すみませんっス、別のことに集中してて…」
「珍しいですね、いつも一緒に作業してくれるのに。………私に愛想つきました…?」
「いや、愛想はついてないっスよ。ただ別のことを考えてただけっスよ~~。」
別に本気で言っているわけじゃない。でも迷惑だったらここ入りびたるわけにはいかないので聞いてみただけだ。別のこと…別のことねぇ…
「彼女ですか?…な~んて、」
「…そんなんじゃないっスよ~」
「えっ、その間気になる!!!」
「気になんなくていいっスよ!!」
私の彼女ですか?という質問をした後の少しの間が気になる。これはいる、と言っているようなもんじゃないか。はぐらかそうとしているところが特に怪しい。