第3章 元人間のヴァンパイア
「いただきまーす!」
全員揃ったところで食事を始める。
けど、イブは何も手を付けずに目の前のスープを見つめる。
「イブ…どうしたの…?」
それを見たアズサ兄がイブに声をかける。
「……え、あ…ううん。なんでも…。」
「食べないと倒れるよ。」
私はハンバーグを切りながらイブにそう言う。
「っ…。ね、ねぇ…アリスちゃんも…ヴァンパイア、なの…?」
「そうよ。まぁでも安心して。
私はあなたの血は吸わないから。」
吸ったところで、私はアダムになれるわけがないし…ルキ兄達も邪魔にしかならない。
この計画では…私はただ見守るだけだ。