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【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第6章 血濡れた面




鱗滝さんと朝食を食べる。いつもと変わらない風景。



刀を腰に挿し、頭に厄除の面をつける。鱗滝さんに向き直る。



「…では、行ってきます!!」



笑顔を向けると、鱗滝さんにきつく抱きしめられる。



「…必ず。必ず生きて戻れ。」



そう言われると、これから待つ試験がいかに大変なものかを想像させられた。緊張感が漂う。
しかし、必ず鬼殺隊に入る。この最終選別を突破して、鱗滝さんのもとに戻る。今日までの日々が美雲を後押しする。



「はい!必ず戻ります!」



鱗滝さんの身体をキュッと抱きしめ返す。美雲の覚悟を感じとったのか、身体は名残惜しそうに離れた。



鱗滝さんに手を振り、狭霧山を後にする。
選別が行われる藤襲山に向かう。道のりは遠いが、鍛錬を積んだ美雲にはなんてことない距離だ。



離れていく美雲の背中を鱗滝はいつまでも見つめていた。
さっきまで腕の中にあった温もりはもうない。少しガッチリとはしたが、もともと華奢な身体つきは変わっていない。
美雲の無事を祈る。見送る背中が今まで育ててきた子供たちと重なる。必ず、生きて戻れ_____。



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