• テキストサイズ

【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第5章 呼吸




美雲は山下りから丸一日寝続けた。溜まっていた疲労がでて泥のように眠った。目を覚ました時、日付が分からず混乱した。
わたわたとする美雲を横目に鱗滝さんは鍛錬を始めると告げた。



鱗滝さんの鍛錬は、まさに”鬼”の内容だった。
山に登り、罠の道を下るのを何度も繰り返す。何度も投げ飛ばされる。余りの厳しさにたまに死を垣間見る。
別に求めていたわけではないが、女にも容赦ない。



鍛錬を始めたころは余りの体力のなさに1日の内に鍛錬を終えれないときもあった。そんな日があると、美雲は悔しくて眠れなかった。



怒涛の鍛錬で美雲の体力も徐々に向上する。鱗滝さんに言われた内容だけでなく、少しの空いた時間も自分で鍛錬を考えて身体を動かす。食事の時間もおろそかにするので、それは鱗滝さんに怒られることもあった。



(…集中力の高さは父以上だな。)
そう鱗滝は思った。
美雲の自身の力を高めようとする姿勢、教えた内容を理解する速さ、その身に落とし込む適応力…申し分なかった。剣士としての勘の良さとでもいうのだろうか。素質があると言うほかなかった。
しかし、やはり女であるがゆえに体が小さい。そのせいで剣の威力もやや劣るのが欠点だった。


/ 230ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp