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【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第10章 圧倒的な力




任務が終わると一人で鍛錬をするのは日課になっていた。
しかし昨夜の合同任務では鬼が2体出てきたため多少の傷を負った。大した傷ではないと思い、任務で一緒になった隊士の輪から静かに抜けようとすると、その場にいた同期に見つかる。



「無理ばっかりして。たまには休まないと倒れるぞ。今日は休む!」



ぐいぐいと引っ張られ、美雲は他の隊士たちと藤の花の家紋の家で休息をとることになった。



「お久しぶりですね。」



家主であるおばあさんに声を掛けられ、頭を下げる。



「お世話になります。」



おばあさんはいつもの微笑みで塗り薬や張り薬を並べて去っていった。美雲は縁側に座る。風に吹かれるのが好きだった。
優しく吹く風に美雲の黒髪がふわりと流れる。一人の時間は決まって考え込んでしまう。強くなっているのか、人々を助けられているのか。
この縁側で風を感じるだけの時間は、ぼーっと無心でいられる。様々な戦況を越えて、疲弊した精神も穏やかになる。



どこかの部屋で隊士たちが盛り上がっている声が聞こえてくる。食事の時間なのだろう。
美雲に向かって走ってくる足音。名前を呼ばれるよりも前にそちらを向く。



「お!いたいた!今日は鯛ご飯だぜ。早く食べようぜ!」



明るい声を掛けてくれる。笑顔で頷いて腰を上げた。




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