第3章 あの子
リゾットside
プロシュートとピザを食べながらふざけ合う夢主。プロシュートが夢主の肩を抱いた時無性に腹が立った。
気付くと二人の背後に立っていた。
「…うお!?おいテメェ…背後に立つなんてどう言うつもりだよリゾット!」
『え…り、リゾットさん?』
プロシュートが俺を睨みつける。
「夢主、ちょっといいか…話がある。」
「ああ?熱々のピッツァを食べる事より重要な話しって何だよリゾットさんよ〜」
俺は何を言ってるんだ…話なんてないのにも関わらず、夢主とプロシュートをどうにかして遠ざけようとしている。
夢主の腕を掴んだ。
『へ?ちょ…』
「なっ…おいリゾット!!」
プロシュートの声が聞こえたが無視して夢主をそのまま引っ張っていく。部屋を出て二階の自分の部屋へと向かった。
自室につくとドアを閉めて息を一つ吐く。
『あの…リゾットさん?』
「悪い…食事中だったのに。」
『いえ、全然大丈夫ですけど…』
沈黙が流れる。
『話ってなんですか?』
「いや…特にない。」
『え…?』
目を丸くして俺を見つめる夢主。
何故だ…動悸がする、鼓動が速くなっている。
「そうだな、強いて言えば心臓がおかしいかもしれない…悪いが、診てくれないか」
『心臓ですか!?どうおかしいんですか?』
夢主が慌てた様子で俺に擦り寄る。
さらに鼓動が速くなる。
『上着を脱いでください。触って確かめます。』
「!…脱ぐ必要があるのか」
『直接触れないと分かりません。ほら、早く脱いで。』
渋々上着を脱ぐ。夢主の前で上に何も身に纏わない姿を晒している自分が滑稽に思えた。
「頼む…」
ソファーに服を置いて夢主の方を振り返る。
『……っ』
夢主は顔を真っ赤にして俺の身体を見つめていた。
「そんなに…悪いのか。」
『!?えっ、えぇっと!!違くて…その、リゾットさんって、凄い筋肉だなぁって…』
段々小さな声になっていく夢主。
無意識に愛しいと思ってしまった。
「…頼んでもいいか?」
『は、はい!!』
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