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ー 甘美な甘さと熱の疼き ー 《リヴァイ》

第8章 愛とこの熱さと温もりの意味【前編△】





_____ 誘われたから乗っただけ…ただそれだけ。




調査兵団本部。

ある昼下がり…。私は報告書を手に通路を歩いていた時だった。


「あ、あのっ…!さんっ!」

「…はい。」


黒い長髪を靡かせながら声した方へ振り返る。
すると、そこには男性兵士が頭を手で掻きながら頬を赤らめ何やらソワソワしている。

兵士の言葉を託すようにじーと見つめれば、緊張からなのか小刻みに震えている唇が開き言葉を紡ぐ。


「そのっ…今夜…部屋に行ってもいい…ですか?」


その言葉に私は無表情でただ見つめながら心内で思う。


____ 嗚呼、またか、と。



「…良いですよ。何時くらいに来ますか?」


問いかけると男性兵士はあからさまに嬉しそうなホッとした顔をして私に言う。


「じ…じゃあ、0時にそちらへ行きます。」

「分かりました。それでは。」


男性兵士に背を向け歩き出す。その背中に男性兵士は頭を下げ「ありがとうございますっ」と礼を告げられた。

それには応えず再び通路を歩き出す。


夜の誘い。どういう意図かは分かっているし承知した上で返事を返している。

何故か…調査兵団に入る前からそういう事には慣れているから。

いや、慣れざるおえなかった環境…と言った方が正しいかもしれない。

そうしなければ、生きられなかったしそういう事で必要とされている、自分を見て貰えると…変な安心感を知ってしまったから。

それは今も抜けきれず…調査兵団に入ってからも度々兵士から誘われては承知し、体を渡してきた。


____ そして今夜もまた私は抱かれに行く。


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