第6章 息も出来ぬまま *
「っ…!は…い…」
いきなりの事に私は顔を赤くして返事を返せば、優しい表情を浮かべたまま唇を重ねてきた。
柔らかくて…包み込むような…
ドキドキして重なった唇からジーンっと熱を持ち出して甘く痺れる感覚に襲われる。
「っ、ん…へいちょ…」
離れた唇に寂しさを覚えながら兵長を見つめると、兵長は困ったような顔と深い溜息を零す。
意味が分からず首を傾げると…
「はぁ、てめぇは…そんな顔するんじゃねぇよ。」
「…へ…?」
「また襲いたくなっちまうだろうが。」
そう低い声と艶を乗せた声色に心臓が跳ね上がる。
え…!?そんな顔してたの?…私…
「ぇ…え…それはさすがに…っ、きゃっ!?」
抵抗も虚しくベッドへと押し倒されて兵長が首筋へと顔を埋めるとチュッと唇を軽く押し当てる。
「んっ…!兵長っ…」
「…、抱かねぇからもう少しキスしてぇ…」
「っ〜!…いいですけど…」
「…ありがとうな。」
それだけ言ってまた唇を重ねてきて…
軽めのキスじゃなく、深く絡めてくる口付けに私は目を閉じて必死にしがみついてキスに応えた。
____ 強引じゃなく、甘く溶かすような…夜の始まり。
end