第10章 愛とこの熱さと温もりの意味【後編△】
兵長の言葉と頬に置かれた手の温かさにまた顔が熱くなるのを感じる。
どうして…この人はこうも私の調子を狂わすんだろう。
それに…兵長から言われた言葉や触れてくる手に…
私は何故か嬉しいって思ってる。
分かってしまったら途端に暴れ出す心臓と顔の熱はどんどん上がっていくばかり。
抑えが効かない。
「っ…や、やめてください…」
反論する声も小声になってしまって。
兵長はそんな私を見て優しい表情と愛しいものを見るような瞳で見つめてくる。
そんな表情…初めて見た…。
何もかも初めてだらけのことにどうしたらいいか分からなくてされるがままになってると、もう片方の手が私の手を握るとグイッと兵長へと引き寄せられた。
_____ えっ…?
「…!?ちょっ…」
「…すまねぇ。お前の顔を見てたら抱き締めたくなった。」
「っ…!」
言われた言葉にドキッと大きく心臓が跳ね上がって兵長の匂いと温もりに包まれ安心するのと同時に変に落ち着かなくて仕方ない。
「…嫌だったか?」
「え…そんなことはっ…」
無いです___ と言いたかったけど今までこんな事言ったことも無ければ、このままで良いって思ってしまってる自分に驚きを隠せなくて…どうしたらいいのかそのまま伝えてもいいのか…
頭の中がパンクしそうなくらいグルグル悩んでいると…
兵長はそんな私を見てフッと笑って返事しやすいような提案をしてきた。
「嫌だったら突き飛ばせ。嫌じゃねぇならこのままこうしててくれ。」