第6章 メリクリ&10,000PV御礼　藤に詩へば＄

今まで手柄を横取りされてもそれを逆手に取るようにして、のしあがってきたというのに……

結局、欲しいものは手に入らない。
白藤は舞山にとって、自分の物の中である一番のモノ。

確固たる自我を形成するために、必要不可欠なモノ。

それなのに。

自分は何も気づけなかった。
白藤のことは我が事と同じなのに…

白藤に、それほど想いを傾けていたことにすら、舞山事態気付いていなかった。

ただただその燃え滾る衝動を薬師が持っていた薬の材料を刈る為の出刃包丁を掠めとり、舞山は薬師を殺害した。

後の事はあまり覚えていない。

確かに薬師が作った薬は舞山に強靭な肉体を与えたが、代わりに人の血肉を求め、日の下を歩けなくなった。