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The end of the story 【ツイステ】

第1章 mirrorハプニング!



踏みつけてしまった部分を手で払って汚れを落とす。これだけじゃ落ちないけど、やらないよりマシだと思う。
パッと広げてみて見た感じ、もう燃え広がってないから大丈夫そうだ。

「あの、これで火は消えたと思います。踏みつけちゃったのであとで弁償を……」
「なぁ!今のどうやって火を消したんだ?」
「え?」

弁償しようと話を切り出す前に話しかけられて、キョトンと男の人を見つめた。キラキラと興味津々という様子でこちらを見てくるのでこの人……おそらく上級生のはずなのに。

「これは…昔本で水がない時は踏みつけると火が消えると書いてあったのを見たことがあるだけでそれより弁償…」
「おお!凄いな!そんなことを知ってるなんて頭いいんだなぁ!」
「え、えぇ…….」

尽く弁償しようと話しかけるが、遮られるな…。
わざとなのかと思えてくるけど、この人すごい素直そうな感じだし偶然だろうなぁ。

「あ、まだ自己紹介してなかったな。俺はカリム。カリム・アルアジームだ!火を消してくれてありがとな!!」
「いえ…グリムを止められなかったのは私にも責任はありますから」
「本当ですよ!貴方の使い魔でしょう?!ちゃんと躾を…」
「私の使い魔?ではありませんよ。その子….グリムもさっきからそう言っていたでしょう」

やっぱり聞いていなかったのか。呆れたようにクロウリーさんを見つめた。
カリムさんと随分長いこと話しこんでしまっていたようだ。
気づくとグリムは既に捕まっていた。首にハートの首輪がつけられていて、結構苦しそう。

「そ、そうでしたっけ?………ごほん!それじゃあ、学園外に放り出しておきましょう。鍋にしたりはしません。私、優しいので。…誰かお願いします」
「……本当に優しい人ってあんまり自分からそういうこと言わないと思う」
「離すんだゾ!オレ様は……絶対、絶対!大魔法士に…なってやるんゾ!!」

紐でグルグル巻きのグリムはそのまま、部屋の外に連れ出されていった。あれだけ騒動起こして火傷をした人も中にはもっといただろうから。仕方ないと思うけど。
でもあのグリム……首輪が取れたらすぐにまた学園内に忍び込むからあんまり外に出しても意味ないんだよね………。

クロウリーさんは連れてかれるグリムを見送ると、仕切り直しだと咳払いをした。

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