第2章 翌朝しおり事件
「ご、ごめんなさい、僕聞くつもりは無かったんですけど、」
「仕方ないよ、記憶は消せない」
フフっと笑うと逸らしてた目を合わせる。
アルミンは眉を八の字にしていて怯えてるよう。すぐ目を下に向けてしまった。
冗談のつもりだったのに怖がらせてしまったか、今度は怯えさせないよう優しくゆっくり語りかけるように話す
「どこから聞いていたのかな?」
「ぁ…ぁの結構最初の方から聞いてしまいました…
団長のことも…」
最後の方の声は小さくなりつつも答えるアルミン
「そっかぁ正直にありがとね、知りたかっただけだから怯えないでいいよ」
「すみません!」
ガバッと顔を上げてほんのり赤いアルミンの顔とふわっとした表情のミヤビと本日2回目の目が合う。
赤面させるほど怖かったかと心の中で申し訳なく思う。
「勿論口外しないので心配なさらずに。
あとエレンとは幼馴染なので、さっきみたいな失礼な態度などありましたら僕がちゃんと言い聞かせますので…」
「んふふ!エレンのママ?」
「いえいえ!!そんなでは……ハハ、いやそんなとこかもしれないです」
「やっぱり?エレンは生意気すぎるから一度アルミンママから説教してもらえる?」
よしアルミンが笑ってくれた。
さっきの固い雰囲気はとりあえず無くなったので本題へ進もう
「それよりさっきはごめんなさい、これクリーニング代だから…受け取って?」
「わざわざすみません、では有難くいただきますね。
…あのひとつだけよろしいですか?」
「ええ」
「よく図書室にいらっしゃいますよね?以前から見かけてたので」
「お!実は私も見たことあると思ってたの
分隊長補佐の立場にいるけど実は座学の方が得意でね…へへ
それでどうかした?」
「はい、この本のここの意味が少し分かりずらくて、ミヤビさんなら分かるかと思って聞きに来ました」
「あぁ1か月前に丁度読んだわ、それはね…」
それから休憩時間ギリギリまで質疑応答をし
最初の頃よりだいぶ仲良くなったアルミンを送りミヤビは自室で事務仕事を始めた。