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私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第15章 フォーミュラ


◇◇

なんとか第一回戦を終え再び観客席へと戻れば、クラス皆にお疲れと声をかけられる。そして、なぜか興奮を抑えきれない様子の緑谷が駆け寄ってくれば、待てんばかりに話し始める。

「希里さんおめでとう!!っというかアレどういうことだったの!?」

『あ、ありがとう。アレって…』

「どこに行ったか一瞬わかんなかったけど、空高くから落ちてたよね?そして今度は飯田くんの横に現れてすごい勢いで押し出してた…アレだよ!」

『ああ、えっとね…』

知識欲を抑えきれずノートとペンを片手の緑谷に、戸惑いながらもなんとか席へとつく。

『飯田くんのレシプロバースト、覚えてる?』

「うん、もちろん」

『あれを自分なりにやってみたんだ』

「ええ?」

そのまま首をかしげる緑谷に淡々と説明を続ける。

『私がいくら飯田くんの死角に飛んでも、私が彼に触れる前に気づかれてすぐに押し出されるか逃げられると思ったんだ。だから飯田くんのレシプロバーストみたいに、隙をついてものすごい勢いで押しちゃえばいけるかなって思って』

「そうか…でもそのスピードはどうやって、あ、もしかして空から落ちてたのってそのため!?」

『そうだね…空高くに移動して落ちてる間に、次のテレポートまでの時間、そんでもって最も必要な威力を稼いだ。そのまま落ちてくる私に気づいた飯田くんの隙をついて彼の横にテレポートして、落下してた時の勢いと威力に身を任せて彼を場外へと押し出したって感じかな』

「な、なるほど…!!」

『だから蹴ったっていうよりも重力の威力で押し出したって感じかな…思っていた以上に速度がでちゃったのが予想外だったけど』

あんまり腰を痛めてないといいけど、と心の中で飯田を心配をしながら背もたれに寄りかかる。

「そういえば飯田くんは…」

『ん、念のため保健室にいったよ』

「そっかあ。いやあでもそんな使い方があったなんて…すごいよ希里さん。威力は次のテレポートに引き継げるものなんだね…メモメモっと…」

『そのせいで一気に移動できるテレポートも小分けにしなきゃいけない時もあるけどね。さっきの作戦は私も土壇場で思いついたことだから…でももうこの技は使えないね』

「あ、ああそっか…確かに一回見ちゃえばもう対策はできちゃうね。いやあそれでもすごいや…」
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