第18章 ➖お大事に…➖
みんなが外に出た後…
トレイ先輩が口を開く
「渡す物って……」
『癒しの雫[ヒーリングドロップス]』
-ポンッ -
ダイヤモンドの様にキラキラ光る
雫型の回復薬を手渡す
「コレは?」
『体力と魔力を回復するものですが…
少しでも治りが早くなる様にと思いまして
それを手に持って胸に当てると
身体に吸収されますから…良ければどうぞ』
(お世話になったし…庇って負った傷…
コレくらいならいいよね?)
「そうか…ありがとうな…使わせてもらうよ」
私の言葉通り胸に当てると
スッと体内に消えていった…
「ああ…本当だ…少し身体が回復して
楽になったな…ありがとう。
いつか礼をさせてくれ」
ニカッと屈託のない笑顔を向けられる…
一瞬アズールを思い出し
胸が締め付けられたが
私も微笑み返す
『お礼なんていいですよ。
お気持ちだけ受け取っておきますね?
では、私はコレで…失礼します。
トレイ先輩お大事に!』
そう言ってトレイ先輩に挨拶をし
彼らの待つ場所へと歩み始めた