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あなただけを…

第3章  ∇出会い∇


『僕?僕は……っ…』

言葉が途切れ途切れになり
僕は涙ぐんでしまった…
そんな僕の変化に気付いたサラは
優しく抱きしめて、頭を数回撫でて
体を離し優しく問いかけてきた彼女…

「ん?どうしたの?何があったの?」

僕に目線わ合わせる様にヒレを折りたたみ
そう優しく問いかけてくる
彼女の優しい瞳、表情、声に僕は泣きながら
先程の出来事を告げる…

「そうだったのね…ねぇ、アズール君さ…
 その子達を見返したくない?」

僕から離れて肩を優しく掴まれ…
ただ、目にはどこか強さを感じる様な
真っ直ぐと僕を見て問われた…

『見返し…たぃ…っ…くっ…
 いじめられるのヤダ…』

泣き続ける僕をまた抱き締めてくれる

「…っ…大丈夫…大丈夫よ…ねっ?」

笑顔を浮かべるサラ
目には薄っすらと涙が見える…

「よし!ならさ…その子達見返してやろー!
 私も昔は太ってて、可愛くもなくて…
 それに…水の中に落とされて…
 “バケモノ“なんて蔑まれたのよね…」

少し寂しげに微笑むサラ
僕はその言葉に驚いた…
サラは十分綺麗だし…
人魚としても何も問題なかったから
そんな事をされる様には見えなかったから…

『っ…どうやって見返したの?』

「それはね…努力したんだよ!………」

そう言って彼女は
見返す為何をしてきたか教えてくれた…
筋トレ、水泳、などの運動法
栄養素を重視したバランスの良い食事法、
腹八分に抑え、食べる順にも気遣うなどの事…
他には…勉強などについても
その中で分からない事があり質問を投げかける

『ニンゲンカンサツ?』

「んと…よく人を見てその人の事を知るのよ…
 どう言った物が好きか嫌いか…弱味なんかも
 …色々見えてきてね…交渉材料になるのよ」

ウフッと彼女は冷ややかな笑みを浮かべ…
指を1本突き立て口元へと当てながら
ウィンクしていた…
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