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あなただけを…

第14章 ➖甘い取引➖


『ごめん…中途半端に…』

素直に彼へと謝る…
一瞬でも彼を利用しようとした罪悪感から…

「フッ…貴方はおもしろいですね…
 互いに利用しようとした…
 それだけでしょ?」

いつもの笑みを浮かべ気遣ってくれる…

(優しいな…無理矢理する事も出来ただろうに
 そうはせず、私の気持ちを汲んでくれて…)

『うん…ありがとう…ジェイド…』

「今度はお礼ですか?フフッ…さて、サラ
 僕の兄弟にも逃げずに伝えて頂けますか?」
 
真剣な表情で真っ直ぐと
私の目を見て言うジェイド

『そうね…あの子のお陰で色々気付かされた…
 フロイドにはもう逃げずに伝えてみる…
 ただ…アズールからは離れる事にする…』

「“忘れられた存在“だからですか?」

『そう…多分契約で消した記憶よ…
 そこまでして私を忘れたかった…
 そんなあの子の…彼の気持ちを
 無下には出来ないでしょう?
 だから…お願い…アズールの事を…
 彼の側に居てあげてほしい…』

少し泣きそうになりながら
必死な顔で彼に頼んだ…

「貴方はどうして…他人の為にそこまで?
 そんなに必死になる程アズールの事が…
 そうですか。えぇ、大丈夫ですよ
 サラの願いでなくても僕達は
 楽しませて頂いてる以上は居ますから」

『そう……うん。アズールをお願いね。
 私は…遠くから見守ってるから…』

「サラ…
 また僕と取り引きしたくなったら
 いつでもいらして下さいね?
 ただし、今度は最後までする覚悟で…ね?」

左目を光らせ
歯を覗かせ笑みを浮かべるジェイド

(あなた達があの子の側に居てくれれば…
 大丈夫…私が居なくても…)


その後も
ジェイドと少し会話をして
落ち着いたところで
手渡された自分の制服に着替え
自室へと戻っていった…
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