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あなただけを…

第3章  ∇出会い∇


「やーい、アズールズルズル、墨吐き坊主!」

「さっさと拭けよ。
 足ならたくさんついてるだろ?」

『や、やめてよぉ……
 な、なんでそんなこと言うの……。』

「逃げろ!墨つけられるぜ〜〜〜。」

「きゃははは!
 俺らに追いつけっこないけどね。」

『うっ、うっ……』

ほかの人魚と違って、吸盤が沢山ついた足。
引っ込み思案でハッキリものも言えない…
勉強も運動もてんでダメ…
僕はいつも1人ぼっち。
グズで、ノロマなタコ野郎……

アイツが居ると水が濁る…
泣くと墨を吐いてしまうからだ…
鬼ごっこをしてもすぐに捕まる…
グズでノロマなタコだから…
一緒に遊んでもつまらない…

……なら、僕の事は放っておいて!!




いつもの様に他の人魚にいじめられ
泣き続けていた…

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