• テキストサイズ

あなただけを…

第10章 ➖賑やかな食事➖


➖バッ➖

「リリアじゃ。リリア・ヴァンルージュ」

転移魔法を使い
逆さまになったリリアちゃんの登場に
皆が驚き戸惑っていた…

「コ、コイツ…瞬間移動したんだゾ!」

「お主ら、わしの年齢が気になるとな?
 クフフ、こんなにピチピチで愛らしい
 美少年のわしだが、たしかに…
 子供とは呼べない歳かもしれんな。
 …なぁサラ?」

驚いた一同にそう言った後…
私に視線を向けるリリアちゃん

『フフッ…そうね…リリアちゃん』

そう言って優しく微笑むと
また皆の方へと視線を移し話し始める

「サラの様にお主らも気軽に
 話しかけにくればよかろう。
 同じ学園に通う友ではないか。
 いつでも歓迎するぞ。」

そう言いきったリリアちゃんから視線を外し
特等席へと視線を移す…
シルバー、セベクと目が合い…
ヒラヒラと手を振ると軽く会釈で応えてくれた

「待って…サラだけしか
 受け入れなさそうなんですけど…」

「クフフ、そうかのお?
 食事中、上から…そうだ…
 失礼ついでで申し訳ないが
 サラを借りて行くぞ?
 ではまた、いずれな」

何かを思い付いたのか、有無を言わさず…
私ごと瞬間移動で特等席へと移動する…

「すまなかったな、急に連れてきて…
 マレウスから話は聞いてはおったんだがな
 こうでもせぬとお主と話せなかったのでな」

そう言って少しだけシュンとするリリアちゃん

『大丈夫よ?私もみんなと話したかったから…
 そうだね…全然会えなかったもんね…
 シルバーもセベクも久しぶりね?』

隣に居た彼等へと話しかけると
数年ぶりなのにも関わらず
昔と変わらぬ態度で
2人とも口々に話しをしてくれる。
相変わらずシルバーは眠そうだったが…
優しく微笑み返してくれる。
セベクは元気…昔よりも熱すぎるくらいで
より一層マレウスへの忠誠心を高めていた。

楽しい会話のハズが私の脳裏には
シルバーと同じ髪色の彼がチラついた…

(どうして…彼は私を忘れたかったのかな…
 こうして笑い合いたかったよ…アズール…)

私の心に少しの影を残していた……
/ 244ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp