第64章 ➖弱点?➖
=運動場=
なんとなくで選んだ飛行術の授業
彼の姿が見え声を掛ける
『アレ?授業一緒になったの初めてよね?』
「サラ!?えぇ…そうですね…。
なんでこの授業で一緒になるんだよ…
はぁ……」
なぜか彼の顔に憂愁を感じた
その謎もすぐに解決されることになった
『…アズールそれ本気でやってる?』
「本気ですよ!
授業で手を抜いたことはありませんからね」
地上から5、60㎝浮いたくらいの
超低空飛行の彼がドヤ顔で言い切った
『ふっ…ハハハハハ!
笑っちゃダメなのに…ふふっ。
昔から運動は苦手だったけどさぁ…
まさか飛行術となるとココまでとはねぇ…』
笑い声を上げていると1人の人物が近づいてきた
「騒がしいと思ったら君たちか…
初めて見た組み合わせだが……」
彼の登場により
先程の和やかな空気から一変
いつもの営業スマイルに戻り
警戒感を示す
「これはこれは…
ジャミルさんではありませんか。あなたも
この授業を選択してらしたんですね…」
『ジャミル先輩ごきげんよう。
お久しぶりですね?…騒々しくしてしまって
申し訳ありませんでした…うちの寮長が
興味深いものを見せてくださいまして…
フフッ…』
「サラ!あなたいつまで笑う気ですか!
いい加減にしないと…
僕にも考えがありますよ?」
暫く私達の様子を見ていた彼が口を開く
「ほぉ…君たちは随分と仲が良いようだな…?
……今後何かに使えるかもな…」
最後の言葉は聞こえないように
小声で言ったのだろうが
読唇術で読み取り
彼の本心を知る事が出来た
(へぇ〜…。やっぱり腹黒っ!
君がそうくるなら私にも考えがあるよ…)
心の中でほくそ笑み
実行へと移すことにする
『えぇ、大変可愛がって頂いてますからね。
それよりも…アズール〜♡
先程のことは謝りますから…ね?
私は、あなたとの契約が無くては
魔法が使えないんですから…
考え直してくださいませんか…?
今晩しっかりご奉仕致しますので…ねぇ〜』
色恋営業の末に契約を結んだ
そんな風に話しを作り
ワザとらしく甘い声を出し
アズールの腕に胸を押し付け絡みつく
頬にキスをするフリをして耳打ちし
話しを合わせてもらう